- 作者: 永井路子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/07/26
- メディア: 文庫
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これまで発表された永井さんの著作をもとに話をするというスタイルで奈良時代の元正天皇から江戸時代の只野真葛まで幅広い時代の人物を取り上げている。
永井作品それぞれがどのような切り口で書かれているかはこれを読むとわかるはず。
私にとっては10年以上前に読んだ「歴史をさわがせた女たち」シリーズが永井ワールドの入り口だった。
切り口が新鮮で,今までなんとなく通説だと思われていた歴史上の出来事や人物像について歴史資料を丹念に当たった上で説得的に覆す。それが痛快だった。
歴史上の常識だと思われていたことが覆される,それは歴史の面白さの一つなんだけど。
さらに,永井さんのキャッチフレーズは「女性から見た歴史」。
でも,女性に対しても評価が低いときは低いし。なんでもかんでも持ち上げたりするわけではないのも好感持てた。
と,永井さんの歴史観は面白いなぁと思いつつ,小説自体はほとんど読んだことなくて。
唯一,毛利元就夫妻を題材にした山霧―毛利元就の妻 (上) (文春文庫)山霧―毛利元就の妻 (下) (文春文庫)を読んだことがあるくらい。
どれが面白そうなのかなぁ〜と探していたら,今回この本が案内役のようにあって。
北条政子の回での,源頼朝と政子の子である源実朝の暗殺と暗殺した公暁殺害の真相についての永井説は面白い。
やっぱり,永井さんは「北条政子」から読んでみようかなぁ。もともとこれを探していたんだし。