しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

NHK杯2023 男子シングルFS

後味が悪く記事をすぐにupできなかったというのが正直なところ。
q判定の嵐が吹きまくった男子と女子のシングル。
グランプリシリーズを通じて同じ判定基準なら納得するけど,NHK杯だけ厳しい基準のように見えて。
見た目の印象と得点にこうもずれが出てしまうと観戦する楽しさが半減するかと。

終結

順位 選手名 国名 SP FS Points
1 鍵山優真 JPN🇯🇵 1 2 288.39
2 宇野昌磨 JPN🇯🇵 2 1 286.55
3 Lukas BRITSCHGI SUI🇨🇭 3 3 254.60
4 Nika EGADZE GEO🇬🇪 7 4 237.34
5 Camden PULKINEN USA🇺🇸 4 8 229.32
6 Gabriele FRANGIPANI ITA🇮🇹 8 6 227.15
7 Deniss VASILJEVS LAT🇱🇻 5 9 221.95
8 Aleksandr SELEVKO EST🇪🇪 9 7 221.43
9 壷井達也 JPN🇯🇵 12 5 216.62
10 Luc ECONOMIDES FRA🇫🇷 10 11 211.12
11 Wesley CHIU CAN🇨🇦 11 10 209.16
12 Mihhail SELEVKO EST🇪🇪 6 12 207.58

鍵山,宇野,ブリッチギーの3選手が表彰台というところは予想どおり。
鍵山選手と宇野選手は1.84の僅差
鍵山選手,宇野選手はGPF進出決定。
4位以下はFSの出来が左右した悲喜こもごもの最終順位。
3位以上との違いはジャンプの安定性かと。

FS順位

順位 選手名 国名 TSS TES PCS CO PR SK Ded.
1 宇野昌磨 JPN 186.35 94.94 92.41 9.21 9.18 9.36 1.00
2 鍵山優真 JPN 182.88 93.27 90.61 9.18 8.89 9.14 1.00
3 Lukas BRITSCHGI SUI 168.18 85.66 82.52 8.32 8.39 8.07 0.00
4 Nika EGADZE GEO 156.04 83.41 73.63 7.32 7.36 7.43 1.00
5 壷井達也 JPN 151.99 82.10 70.89 7.07 6.86 7.36 1.00
6 Gabriele FRANGIPANI ITA 148.95 74.39 74.56 7.43 7.50 7.46 0.00
7 Aleksandr SELEVKO EST 145.58 70.75 74.83 7.43 7.54 7.50 0.00
8 Camden PULKINEN USA 142.92 67.43 75.49 7.46 7.50 7.71 0.00
9 Deniss VASILJEVS LAT 139.81 58.62 82.19 8.29 8.18 8.21 1.00
10 Wesley CHIU CAN 137.14 68.08 70.06 7.04 6.86 7.14 1.00
11 Luc ECONOMIDES FRA 136.88 62.19 74.69 7.46 7.68 7.29 0.00
12 Mihhail SELEVKO EST 126.27 55.70 72.57 7.39 7.11 7.29 2.00

気になった選手選手についてコメント


壺井達也選手(日本)

予定:4S3T 4S 3A1Eu3S 3Lo /3A 3F 3Lz2A
実施:4S2T美 4S美美 3Aq1Eu3S 3Lo /3A美 3F 3Lzfall
SPから気持ちを切り替えて2本の4回転を決めフリー5位に浮上ししばらく漬物石状態に。
演技後にこんないい笑顔をするのか,というくらいいい笑顔😄

ウェスリー・チウ選手(カナダ)

予定:3F3T 4T3T 4S 3Lo /3A 3Lz1Eu3S 3Lz
実施:3F3T 4T<3T 2S 3Lo /3A<fall 3Lz1Eu3S 3Lz
なんとかまとめた。まだ若いので,これからグッと伸びるかもしれない。

リュック・エコノミド選手(フランス)

予定:2A 3A 3Lz 3Lo /3A1Eu3S 3F3T 3Lz2T
実施:2A美 3A堪 3Lz美 3Lo /3A1Eu3S堪 3Fe軸斜 2Lzot2T
ジャンプの難易度は高くないけど、おフランスのオシャレで楽しいチャップリンのプログラムがまた見れて良かった。

アレキサンドル・セレフコ選手(エストニア)

予定最終版:4T 3F 3Lo 3A /3A3T 3Lz3T2A 3S (コンボ足りず)
実施:4T< 3F3T美 3Lo 3Aqfall /3A<2A2A 3Lz2T 3S堪
お兄ちゃん、頑張りました‼️

ガブリエレ・フランジパーニ選手(イタリア)

予定:4T 4S 3A 3Lo /3A1Eu3S 3Lz3T 3F3T
実施:4T美 2S 3A堪 3Lo /3Aq1Eu3Sq 3Lz3Tqso 3F3Tqso
中国杯の再現とはならず…😞
でもこれからもチェックしていきたいっていう魅力がある選手。

ミハイル・セレフコ選手(エストニア)

予定:4T 4S 3Lo 3A3T /3A3T 3F1Eu3S 3Lz
実施:4T美 4S<fall 2Lo 1A3T /3A<2T 3Fq1Eu2S 3Lz<fall
演技後の浮かない😮‍💨表情が全てを物語ってる。
冒頭4Tは🆗だったのに、ジャンプが決まらないと厳しい。
SPは良かったのに。

デニス・ヴァシリエフス選手(ラトビア)

予定:4S 3Lz3T 3A2T 3Lo /3A 3Lz1Eu3S 3F
実施:1S 4S<<fall 3A<3Tq 3Lo /3Aq 3Lz1Eu<<2S 3F!
今季はジャンプがなぁ…😞と演技前から思ってしまう4回転の成功率の低さがネック。
冒頭4Sが抜けて1Sに…😣ああ〜やっぱり…もう無理して4回転はプログラムに入れない方がいいかも…って思ってたところに、4S再チャレンジ😳
転倒したけど世界トップクラスで競うスケーターとしての意地を見た。
ブルースという難しいジャンルの音楽にあった身のこなしで流石の表現力だったけど…
プログラムが難しすぎてジャンプの練習に時間が取れなかったのかしら?
EXのトークコーナーで宇野選手が話していたことだけど,ランビ先生はデニス君の演技後すごく落ち込んでしまい(←やはりそうだったか)、その後に滑った宇野選手の演技前にコーチとして宇野選手を励ますも「(これから滑る)僕の演技で元気になって」と逆に慰められてたそう😌
そんなランビ先生とのエピソードを「抜けてるところがあって」という言葉で紹介する教え子😅
いや…もうちょっと言葉のチョイスってものあるでしょう…とツッコミつつも,ランビ先生は宇野選手の演技後すごく喜んでいてそれに宇野選手も満足したらしいので、よしとしよう。
にしても、デニス君は次のオリンピックまでは現役続けると言っていたので,それまでの間4回転とどう付き合っていくのか、気になるところ。

ルーカス・ブリッチギー選手(スイス)

予定:4T3T 4T 3A2T 3Lo /3A 3F1Eu3S 3Lz
実施:4T2T 4T2ft 3A2T美 3Lo美 /3A美 2Fe1Eu3S 3Lz美
上位2人には引き離されたけど、できるところはしっかりやって予想通り3位に。
ヨーロッパ選手権での活躍が期待できそう。

宇野昌磨選手(日本)

予定:4Lo 4F 3A2A2A 3A /4T3T 4T 3S2T
予定最終版:4Lo 4F 3A2A2A 3Lo /4T3T 4T 3A2T
最終練習:4Lo 4F 3A2A 3Lo /4T3T 4T 3A1Eu3F
実施:4Loq 4Fq 3A堪 3A2A美 /4Tq3T 2T 4Tq2T
後半の4Tが抜けて2Tになってからの…
解説の本田武史氏の「プログラム変えてきます」との早口コメント直後の4T2Tでのリカバリー。
去年の全日本選手権のフリーでの3A2A2Aでリカバリーと同じくらい痺れた。
「自己満足」が目標と言っても競技会で出ているからには勝つことを諦めない姿勢っていうところに。中国杯のときに「モチベーションが…」なんて言ってたけどこういうところを見ると大丈夫そうと思ったんだけどねぇ。
演技後,田中刑事氏のインタビューによれば「結構練習でそういう失敗はしていたので,リカバリーの練習はしていた。そういう意味でも『練習どおり』」なんだとか。
中国杯よりもブラッシュアップされててより流れるようなプログラム。あっという間に終わり、夢を見ていたかのような心地良さ。
ジャンプの出来はいつもと同じに見え、技術点の速報値も100💯超。ジャンプ構成の難易度からして宇野選手の優勝かと思ったが,得点が伸びてこない…なぜ?
後でわかったのが,4つのqマークにタイムオーバーのディダクション-1で,技術点はガッツリ減点されて93.27😣
競技後のインタビューで「(今回の採点について)この基準になるなら、僕はもうここが僕の限界。これ以上僕に先はないなって思わされる試合だった」と言ったところが大きく取り上げられたものだからちょっとした騒ぎに。
後日宇野選手の発言を全文載せて誤解されないよう配慮したと思われる記事が複数メディアからリリースされ収束を図った感じ。
多くのフィギュアスケート⛸️ファンが思ったのが「なぜNHK杯だけジャンプの判定が厳しいのか?」
宇野選手だけでなく、多くの選手にqマーク付きまくった大会として記憶されそう。
昔もこんな気持ちになったんだよなぁ~と記憶を辿ると,浅田真央選手が得点が伸びないときがあった時期を思い出した。あの後のバンクーバー五輪では完成度を重視して4回転回避したエバン・ライサチェク選手が🥇で4回転論争があったなぁ。あの窮屈な時代に戻るんだとしたら🤔
今更ジャンプの跳び方を変えられないから,グランプリファイナルでは宇野選手がどう対応してくるのか,ジャンプの判定基準はどうなるのか気になるところ。審判で試合の面白さが左右されるのもなぁ。

EXのトークショーであこがれの人は?と聞かれて「ステファン」と回答。理由が「スケーティングだけでなく、人間性も僕はすごい好き」っ言いながらの3年前ぐらい(臨時コーチになってもらってからってこと?)にスケート⛸️見てこんなに上手いんだって思った。」と本人が聞いたら泣きそうなもの。
何度も映像を見たという高橋大輔氏とか見てたら、同時代(2006トリノ五輪から2010バンクーバー五輪までの間)に活躍してたランビ先生も見てるはずなんだけどなぁ…今年のポエタとか見たのかなぁ?とかと心配😟
まぁいきなりフリーの当日の練習でやってなかった4Sやってみてって無茶振りするランビ先生もランビ先生なんだけど。

鍵山優真選手(日本)

予定:4S 4T1Eu3S 3Lo 3A2A /3A 3Lz2T 3F
実施:4S美美 4T1Eu2S美 3Lo美 3A2A美 /3Afall 3Lz2T美 3F美
3Aの転倒はあったものの、qマークとは無縁の高く回りきって降りてくる美しいジャンプ。
スケーティングは伸びやかで腕の使い方も柔らかくて美しい。これはコストナーコーチの指導の賜物かと。
スケート自体の質で評価するなら、今大会では優勝に相応しいかも。
ただ、ジャンプ構成の難易度とその成功率を考えると、宇野選手と差がほとんどないという評価になるのは素人目にはちょっと腑に落ちず,もやもや。
ジャンプ構成の難易度を上げられれればGPFでも優勝もありうるけど、怪我から回復したばかりだから焦って無理はして欲しくない。
本人は「個性が欲しい」と言っていた。基本に忠実な教科書的な滑りとも言えるので,印象に残りづらいのかもしれない。
しかし,NHK杯のエキシビションまで見て思ったのは,コストナーコーチ直伝の伸びやかで美しいスケーティングが鍵山選手の個性になりつつある,ということだった。これからの進化が楽しみ。