しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

フランスグランプリ2023 男子シングルSP

もうGPシリーズ第3戦。
それぞれの大会に特徴があるけど,今季のフランスグランプリの男子シングルは「神々の表彰台争い」となりそう。
他の大会に出てたらGPファイナル行けたけど,フランスグランプリにエントリーしたがために出られないという選手が出そうな予感。
SP結果

順位 名前 国名 TSS= TES+ PCS CO PR SK Ded.
1 Ilia MALININ USA 101.58 59.52 43.06 8.64 8.64 8.50 1.00
2 Adam SIAO HIM FA FRA 101.07 57.70 43.37 8.54 8.79 8.64 0.00
3 鍵山優真 JPN 97.91 53.96 43.95 8.75 8.57 9.00 0.00
4 Lukas BRITSCHGI SUI 86.94 46.74 40.20 8.00 8.21 7.86 0.00
5 Stephen GOGOLEV CAN 86.14 50.17 35.97 7.29 7.04 7.21 0.00
6 Camden PULKINEN USA 83.44 44.73 38.71 7.61 7.82 7.75 0.00
7 Boyang JIN CHN 81.43 46.16 36.27 7.25 7.18 7.29 1.00
8 島田高志郎 JPN 79.30 40.36 38.94 7.64 7.93 7.75 0.00
10 片伊勢武アミン JPN 76.27 40.24 36.03 7.11 7.18 7.29 0.00

片伊勢武アミン選手

3A美 3Lz3T美 /3F!
名前は聞いたことはあったけれど,初めて演技を見た。
ジャンプのランディングが美しくて,自分ができることをきちっとやっていたと思うのでまずまずでは?

島田高志郎選手

4Sso 3Lz3T美 /3A
大会1週間前に捻挫という話もあったので心配だったけど,今のコンディションでやれることはやったと言えるかと。
SPはGPシリーズ初戦の「Sing, Sing, Sing」。昨季からの持ち越しだけどかなりブラッシュアップしてた。
冒頭の4S:ステップアウトだけど転倒しなかったからOK!ここで大きな拍手と気合の入った大きな声が聞こえるんだけどはその主はランビ先生かと。一緒に跳んでたのかな?
2本目の3Lzー3T:昨年の構成はここで4T-3Tだったけど捻挫をしたから構成を落とした模様。
四大陸選手権のとき,股関節の調子が良くなくて4T-3T➡3Lz-3Tに落としたけど、考え過ぎて2Lz-2T(涙)っていうことがあった。9月のネーベルホルン杯でも3Lzー3Tにしていたのも効を奏したのか,キレイに決めてたからこの選択で正解。
3本目の3A:ネーベルホルン杯で転倒してたから心配してたけど,GOE1.03加点ももらえてOK!
ずっとの今までの大会ではジャンプ1本が転倒(痛)が続いたので,3本全てのジャンプがなんとかなった(ホッと)。
スピンもレベル4,ステップもニコニコ楽しそうで客席からも手拍子が来てよしよし。
最後のスピンもレベル4行ける!って思ったところで,スピードが落ちて不安定な回転に。こんなスピンのミスは今までなかったそうだけど,穴があったからかも,とのこと。そういうことが起きるのが国際大会の恐ろしいところ。得意のスピンでミスするのは痛いなぁ。
でも,ステップのところは昨季よりもキレが出ていて昨年の「ちょっと音楽よりも動きが遅れてる?」という違和感があまりなかった。
更なるブラッシュアップに期待。次の大会ではクリーンな演技をぜひ見たい。

得点を待っているときのリプレイ。他の選手のときも選手の演技シーンにコーチのリアクション場面が差し込まれているけれど,高志郎くんのときだけランビ先生が多めに差し込まれているのは意図的なんだろうなぁ。フェンスの高さギリギリまで体が沈み込んだりと通常運転。

鍵山優真選手

4S美 3Lz3T美 /3A美
島田選手と同じジャンプ構成なのに,技術点だけで13点,とこうも点差が開いてしまうものなのかぁ。
鍵山選手は一目瞭然なんだけど,ジャンプの質がとてもよい。島田選手とGOEを比較すると

名前 4S 3Lz-3T 3A
鍵山選手 3.46 1.94 2.63
島田選手 -3.33 1.26 1.03

二人ともSPはもう1本4回転を入れられるけど,鍵山選手が怪我前の状態に戻せればGOEでますます差が付いてしまいそう。
スピンとステップは,鍵山選手は全部レベル4なのに対し,島田選手はスピンが1つレベル4のほかは全部レベル3でしかも最後はミスしている。
細かく見ていくと鍵山選手は細かなところもしっかり決めているということがわかる。
しかも,PCSは全選手で1位。表現力強化大作戦の効果抜群。
今季の鍵山選手は今までになくレベルアップしてきそうで期待大。

本筋から外れるけど・・・
とうとう現役時代に表現力で高い評価を受けたステファン・ランビエール「先生」とカロリーナ・コストナー「先生」が同じ世界レベルの大会で教え子とともにキスクラに座る日がやってきた。二人の教え子がそれぞれ表現力磨きに頑張っているって,なんかいいなぁ。
この二人に安藤美姫「先生」が加わる日も近いかも。中学王者のメインコーチになったっていうから。トリノ五輪からバンクーバー五輪までのフィギュアにハマっていた身からすると感慨深い。

いくら休日とはいえ,真夜中2時近くまで起きているのはキツイので,ここで脱落。
ここから先は翌朝チェックしたけど,上位2人が凄過ぎる。

アダム・シャオ・イム・ファ選手

4Lz美 3A美 /4T堪3T
4Lz:15.28点(基礎点11.50+GOE3.78)軽々跳んでる~~(驚)
4T-3T:15.19点(後半基礎点13.70+GOE1.49)後半に跳べるのが大きい。
身体能力が高すぎて,ステップとかコレオシークエンスのところは巻き戻して何回も見ないと体をどうひねっているんだかわからない。
クロバットな動きが特徴的な選手だけど,このスタイルは若い男の子にウケてみんなで真似しそうと思うぐらい,インパクトのあるパフォーマンス。

イリア・マリニン選手

4T美 4Lz-3T美 /3A美 StSqfall
4Lz-3T:これで19.64点!!(=基礎点15.70+GOE3.94)。
4A跳んでるのもすごいけど,難しい4Lzの後に連続ジャンプを付けられるのも信じられない。お母さんのタチアナ・マリニアさんの現役のときの演技を見たら,もの凄い高いキレイな3Lzを跳んでて,これはお母さん譲りだったのね,とすごく納得。
スピン,ステップも全部レベル4。ステップのところで勢い余って転倒したけど,僅差で1位キープ(驚)。
世界選手権のときはどうなっちゃうんだろう?と今からワクワクするしかない成長ぶり。

上位2人は身体能力が高すぎて異次元に行ってる感が出てきた。
さてフリーはどうなるのか?