しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

広池浩司「入団への道〜夢をつかむまでの軌跡〜」その2

読み終わったので感想など。


新聞記事になってました。

中国新聞の「地域ニュース」('10/3/26)の記事

広池投手のブログ本増刷
 広島カープ広池浩司投手(36)が、個人ブログをまとめた単行本「入団への道〜夢をつかむまでの軌跡〜」を自費出版し、人気を呼んでいる。19日に発売した1千部が4日間で完売。2千部を増刷した。「知人に配りたいと思って冊子化した。これほど応援してくれる方が多いとは…」と喜んでいる。
 2008年1月にブログを開設した。全日空に勤めて1997年に夢を追い、入団テストを受けて合格。ドラフト指名されるまで約9カ月、ドミニカ共和国野球留学した体験などをつづった。球界の舞台裏を紹介する内容も人気で、ファンから出版を期待する声が寄せられていた。
 価格は950円。広池浩司オフィシャルサイトから申し込む。

初版1千部が4日間で完売だったんですか・・・その全部に直筆サインとは・・・頭が下がります。

内容

第1章 入団への道1〜16

プロ野球選手のブログ」から想像がつかないぐらい内容は深いし、ボリュームたっぷり。かなり読み応えあります。

第2章 市民球場の思い出

2005年4月7日のvsタイガース戦のエピソードはブログのエントリーの中でも印象的。マンガのようなホントの話に笑ってジーンと来まして。大好きなエピソード。
その試合について当時、某タイガースファンがご自分のブログで語っているのを見つけました。

今日は広池にやられた。
投手としてはやってはいけないヘッドスライディングで勝ちへの執念を見せた。
・・にしても広池、シーツに打たれて泣くなよな・・・勝って良かったな、勝ち投手じゃないけどさ

ちょっと泣いた・・・


ブログにない「番外編」。プロ初打席で当時のタイガースの野村克也監督から「バッティングいいぞ」と警戒されながらいきなりホームランを打ってたという野手出身の投手ならではのエピソードが披露されてます。ノムじぃが出てきてびっくりしたぁ。

第3章 広池セレクション

ブログのエントリーの中からのセレクション。お気に入りのエントリーは「星に願いを」。あのあとどうなったか、この本で明らかにされています。

第4章 未来の大選手へ(ブログよりQ&A)

わかりやすくファンの質問に答えています。今野球を頑張っているお子さん、そんなお子さんをバックアップしているお父さん、お母さんには非常にいいアドバイスが載っているかと。

コメント

全体的な印象としては、広池投手の文章は、今までの自身の歩みを語る視点がとても冷静かつ客観的でありながら、熱いハートが伝わってくるなぁ・・・と。
まるで「広池浩司」という投手をよく理解している「広池浩司」という名の優秀なスポーツジャーナリストが語っているかのように。それが広池ブログの魅力かと。
その印象を強く持ったのは「入団への道」シリーズ。
文章を綴ることは時間と労力がかかる作業。
ブログをエントリーする時間も労力もあまりない現役のプロ野球選手でありながら、入団までの経緯をまるで昨日のことのように生き生きと、一方で自分自身のことなのに独りよがりにならず冷静に語ることができるのは、当時から今まで自分自身の歩みを記録し続け、ときに振り返って反省をするという作業を常にしながら、一日一日を大事に過ごして来られたからなのかなぁ・・・と。


そうはっきり思ったのは第3章にある「鈴川のブログ」というエントリーの中に「その日、一日に全力で生きる」というフレーズを見つけたから。
「一日を全力で生きる」、なんと難しいことなんだろ?
言うは安し・・・
しかし、入団に至るまでの経過しかり、手術をしてから2軍の試合で投げられるようになるまでの経緯しかり、日々の小さな努力を積み重ねた結果、着実にステップアップして結果を出している広池投手の言葉だけに、とても説得力があると感じまして。
そんな広池投手のブログ、これからもどんなエントリーがアップされるのか、楽しみです。