しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

Dressed up to the Nines

Dressed up to the Nines

Dressed up to the Nines


久しぶりの長文。リハビリを兼ねて3年も前のゴスのアルバムを今頃レビュー。
レビューをupするのに時間がかかったのは,このアルバムどう評価してよいものやら戸惑っていたから。一見パッとせず地味なのに,なぜかライブだとその地味さがいい感じに聴こえるのが,このアルバムの評価の難しいところ。


ちなみに,当初CCCDで発売だったのに,さりげなぁ〜く通常CDで再発されてしまったので,2枚持ってます。むぅ〜

1.Right on, Babe (作詞:山田ひろし,作曲:黒沢薫酒井雄二・松本圭司)

黒沢氏がMavin Gayeに影響されて作ったという曲。

What's Going on

What's Going on

  • アーティスト:Marvin Gaye
  • 出版社/メーカー: Motown
  • 発売日: 2003/01/14
  • メディア: CD
の「What's Happening Brother」のコーラスアレンジとかをイメージしてるのかしらん。ちなみに,Mavinのこのアルバムに「Right On」というタイトルの曲が収録されていたり。

2.You are my girl(作詩:安岡優,作曲:村上てつや・松本圭司)

イントロからの♪ジャ、ジャ、ジャジャ、ジャーンのループが印象的なソウル色全開の曲。
ひたすら「君はかわいい」といい続けるソウルマナーにのっとった(?)歌詩としたそうで。初めて聴いたときからインパクトあったけど,やっぱりループが心地よい。

3.Reflections(作詞:山田ひろし,作曲:村上てつや

バックの生音さいこ〜!生音ばんざ〜い!トラックさいこ〜!「村上氏,ソロアルバム出してくれぃ。」と思わず口が滑りそうになったりするわけで(苦笑)

4.Real tight(作詞:山田ひろし,作曲:酒井雄二村上てつや

むぅ〜あまり好きくないなぁ。インパクトはあるはずなのに印象に残らない・・・(汗)

5.Sweet(作詞:黒沢薫,作曲:黒沢薫妹尾武

ディープ。即興で作っていったというのがよくわかる荒削りな感じ。好きかと言われるとむにゅぅ〜悪くはないのよぉ・・・ライブでの照明による演出が印象的。

6.アンジュナ(作詞:黒沢薫,作曲:松本圭司)

最初の印象は「昔のマッキーこと槇原敬之氏みたいな曲=情けない男を描いた曲だなぁ。」
歌詞は久しぶりに黒沢氏が担当。
別れのショックから立ち直れない男性の気持ちがよく語られています。
情景描写の道具である「雨」の使い方が憎いなぁ。
「渇き」で見られた黒沢氏の文学的センスが垣間見えるんですね。
2回、3回聴くと「♪今も待ち続ける 胸の痛み〜」のあたりから泣きたくなってしまうのよ。 
さらに,ラスト近くのアドリブ満載のジャジーな松本圭司氏のピアノの音色にぞっこん。
このアルバムのなかでダントツで好きな曲。

7.エンドロール(作詩:安岡優,作曲:北山陽一妹尾武

壮大の一言に尽きます。北山ワールド全開。
いい曲かくねぇ・・・オケのアレンジ好きです。
北山氏&村上氏のツインリードがいい味出してるのよね。

8.新大阪(作詞:村上てつや,作曲:村上てつや妹尾武

この曲の位置がすごく悩ましかっただろうなぁ。
いい曲なんだけど、このアルバムの中では居心地が悪そう。

9.シアトリカル(作詞・作曲:酒井雄二

酒井節炸裂。シニカルな感じ。
ライブでは5人が観客に向かって挑発的に煽ってくるのでは。
なんとなくダンスは「まちがいさがし」みたいなピコピコダンスなんじゃないかと・・・
とライブ前に思っていたら,この曲がオープニング曲。
ワクワク感をいい感じに盛り上げてくれる。


ちなみに,本ブログのタイトルとこの曲の関係についてはこちらまで

10.Yes,No,Yes...(作詩・作曲:安岡優

いやぁ〜エロい(爆)。モロ出しな雰囲気が安岡氏らしい。
なぜか、モンローウォーク安岡の絵が目に浮かぶ(笑)
と思ったら,ライブでそのまんまを目の当たりに・・・

11.コーリング(作詞・作曲:村上てつや

イントロ聴いただけで、ライブではうわぁ〜と盛り上がって最後にこの曲が来て感動の涙、涙、でみんなで大合唱っていう絵が見えたんですけど・・・実際のライブでの使われ方はどうなんだろ?
(答え)イメージ通りです。


ここのアルバムの位置からは外せないというぐらいラストが似合う曲。

12.街角 - on the corner -(作詞:相田毅,作曲:岩田雅之

これも卒業がイメージできる曲。ラストに置くべくして置かれた曲だと。
いい曲だけど,シングルのインパクトとしてはゴスブレイク後の曲のなかでも1、2位を争う地味さ(泣)。
「じわじわとくる隠れた名曲」というブレイク前のゴスのアルバム収録曲について言われた言葉がそのまま当てはまる気が。

全体評

・それぞれのメンバーの趣味が前面に出ている。好き勝手に作らせてもらったという話があるが、ほんとに納得。
・地味だぁ。でもじわじわ来るのがよかったりする。いい意味で聞き流すことができる初めてのゴスアルバム。今までのものは,ちゃんと聞かないといけないという印象のものだっただけに新しいゴス像が出てきたような。オトナ度UP。
・このアルバム聞いてから「FRENZY」を聞くとそのギャップに驚きが。
インパクトが強い売れそうな曲を集めたのが「FRENZY」で、売れない頃から持っていた彼らのセンスを洗練していったのが今回のアルバムかも・・・
どちらの要素もうまく混ぜ合わせられるといいかも。FRENZY的な面も好きなのでそれが今回薄い感じだったのが残念。
と最初は思っていたけど,今はこのぐらい薄味だけどしっかりコクがあるのもいいかなぁ・・・と。本場のオトナ向けR&Bとそんなにギャップなく聴けるのが嬉しかったりする。