- アーティスト:ゴスペラーズ
- 発売日: 1995/10/21
- メディア: CD
タイトルはグループ名そのまま。アーティスト名がついているアルバムって名盤が多いと言われているんだけど、このアルバムも荒削りながらゴスぺラーズの一番コアな部分がそのまま表れていて結構好き。
バンドブーム真っ盛りの中で、
ボーカルグループとしてのゴスペラーズのそのままの姿を世に問う、
という意気込みがあるように「一見」見える。
実情はそんな意気込みうんぬんよりも、デビューアルバムを出そうにも曲のストックがなかったため、そのとき出来ていた曲全部を詰め込んだ、らしい(苦笑)。
それが図らずもゴスぺラーズのコアな部分(=ドゥー・ワップ等のブラックミュージックのコーラスの伝統を踏まえつつ、現代のブラックミュージックのソリッドな音触りも取り入れている。ハモリが綺麗なだけの優等生ではないボーカルグループ)を抽出したアルバムとなる。
そのコアな部分は今はむき出しでは出てこないが、このアルバムを聴くと今でもデビューのときの心意気は失われていないっていうのはわかる。
楽曲のレベル、歌唱力、レコーディング技術すべてにおいて拙いが、1995年という時期にこのような心意気のアルバムを出したというところは評価されてもいいのでは。
イントロ '95 (作曲:ゴスペラーズ 編曲:BANANA ICE)
リーダーがリーダーらしく見える曲。安岡氏活躍。
日本のドゥーアップグループ登場か?と思わせる曲調。
Something in my soul (作詞:京恵里子 作曲:村上てつや)
ポイントは最初のスクラッチ。ターンテーブルとボーカルグループの組み合わせが新鮮。
村上氏のソウルフルなボーカルに、酒井氏のヒューマンビートボックス。
ちょっと凄いボーカルグループ出てきたんじゃない?という期待感が。当時のゴスの引き出し全部を使っている曲。
Higher( 作詞:ゴスペラーズ 作曲:酒井雄二 編曲:田辺恵二)
ゴスマニアには人気の高い曲。
歌詞が頭んなかで作ったなぁ〜っていうとってもとっても青い若さを感じるんだけど、それがよいのだ。
爆発する力を内に秘めているクールでエッジが立った曲といえば酒井氏でしょ。
Promise (作詞:近藤聖子 作曲:鈴木三博 編曲:小西貴雄)
この曲、CDの音源化されているだけで、インディーズ盤、シングル盤、デビューアルバム盤、LN盤と4種類あり。
この曲がなければゴスはスカウトされなかったという運命の1曲。さすがに楽曲に力がある。
4種類のver.で一番好きなのはこのデビューアルバムVer.かなぁ。
歌い上げる黒沢氏の声と若々しいコーラスとピアノとの相性がいいんですわ。
Betcha by Grolly,Wow (作詞:Linda Creed 作曲:Thom Bell 編曲:ゴスペラーズ)
Stylisticsのカバー。
こういうカバーを選ぶところにブラックミュージックのボーカルグループに影響を受けたゴスのコアなところが見える。
チャレンジアメリカパート1でのNYでのライブでも歌っていた。途中でマイクのコードを引っこ抜かれてた・・・
Winter Cheers! (作詞:からむし天気 作曲:小西貴雄 編曲:小西貴雄)
謎の人物日野さん初登場。最初のガヤガヤのところはSCSのメンバーにも参加してもらったとか。
大学生の飲み会ってこんな感じだよねぇ。今聴くとうれし、恥かしな歌詞。
10年前の大学生が歌うポップスってこんな感じだとイメージされていたんだぁ・・・
Tonight (作詞:からむし天気 作曲:黒沢カオル 編曲:田辺恵二)
1回だけ、イベントライブ@名古屋で見たことあり。
そのときはダンスの振りあったけど、もともとは踊っていなかったらしい・・・今踊りながら歌っても意外と受けるのかも。
コーラスの不安定さに若さが。
祈りの街 (作詞:ゴスペラーズ 作曲:ゴスペラーズ)
ドゥーアップの影響充分のなかなかソリッドな曲。
トラックに時代を感じるけど、当時はかっこいい!って思われたんでは?ちょっと狙いすぎている感もあるけど。
インター '95 (作曲:ゴスペラーズ 編曲:BANANA ICE)
インタールードがあるところにデビューアルバムへの力の入れようがわかるというもの。