しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル

毎週土曜日 21:30 - 24:30 TBSラジオにて放送中のアイドルソングや歌謡曲、洋楽など幅広く音楽を紹介する番組。
DJを務めるRHYMESTER宇多丸師匠(←やっぱりこの呼称だよね。)がこの番組で第46回(2008年度)ギャラクシー賞ラジオ部門DJパーソナリティ賞を受賞したことはニュースになっていたので,存在は知っていたのですが,仙台では残念ながら聴けないんですよね。
と思っていたら,ボッドキャストで聴けるようになっていたんですねぇ。いい時代です。というわけでさっそく聴いてみました。

ザ・シネマハスラー

映画批評コーナー。スタッフが予め決めた映画からサイコロを振って宇多丸師匠が見る映画を決定し、翌週のコーナーで内容を評論する,というもの。この批評が素晴らしい出来です。全部は聴いていないのですが,自分が聴いた中で印象に残った回のものをピックアップしてご紹介。
HPはこちら

ソーシャル・ネットワーク(2011年)

良い作品の褒め方って,批評を見た・聞いた人が「じゃぁ,映画館に行って見てみようか。」って思わせるところだよね,という見本のような回。非常に好感が持てました。

アマルフィ 女神の報酬(2009年)

フジテレビ開局50周年記念のこの映画ですが,「これから若干のネタばれを含むけれど,それを怒る人がいれば,じゃぁあなた絶対に映画を見く行くんだな,だったら今すぐ聞くのをやめてもらっても結構です。でも,聞いたら絶対行かないし,行ったら後悔するはず。」という絶対的な自信を持った前振りに続いての評論。聞いていてホントにダメそう・・・という説得力あり。怒りを募らせるために2回見たんだそうで・・・(苦笑)

私は貝になりたい(2008年)

主演・中居正広氏の後半の演技のどこがいいのかを,過去の作品(映画1作品とテレビ2作品)と映像化の元となった元陸軍中尉・加藤哲太郎の手記「 狂える戦犯死刑囚」の遺言部分を踏まえ評論。過去の作品を見た黒沢明監督からの「あれでは貝にならない」という指摘を受けた脚本家・橋本忍氏が2008年作品ではどう工夫しているのか,も丁寧に言及。「今回の作品では,貝になっていた」という宇多丸氏の評価を確かめに映画を見たくなる。

スポーツマン山田(2010年)

そんな映画あったっけ?ええ,あったんです。


この二つを組み合わせると・・・ね,あったでしょ。

暗号シネマハスラー・暗号表

スペースバトルシップ・ヤマト = スポーツマン山田
宇宙戦艦ヤマト = 運動選手山田
木村拓哉 = ケビン・スペイシー
古代進 = 碇シンジ
黒木メイサ = 赤木春江
森雪 = 森ガール
山崎努 = モーガン・フリーマン
沖田十三 = 松岡修造
柳葉敏郎 = 容疑者・室井滋
緒形直人 = ヴァル・キルマー
西田敏行 = タブチくん
高島礼子 = シェール
池内博之 = ジェイソン・ステイサム       
アナライザー = ラルフ
波動砲 = マイナスイオン
波動砲発射口 = 鈴口(すずぐち)
第1艦橋、第2艦橋、第3艦橋 = 第1会議室、第2会議室、第3会議室
コスモクリーナー = 宇宙キムコ
ワープ = チェレンコフ推進
コスモゼロ = ジェットビートル
ガミラス = 惑星パンドラ
デスラー = アバター
イスカンダル = ガンダーラ        
山崎貴監督 = 野村監督 
脚本・佐藤嗣麻子 = 野村沙知代
スマップ = メヌード
スティーブン・タイラー = はら・たいらー
ささきいさお = isao.net(イサオ・ドット・ネット)




この映画公開前に,「博士の異常な鼎談」でこんなお話↓をしていたのですが・・・

TBSが出資しているからと言って褒めれば,僕の評論が死んでしまう。
けなすと,番組が死んでしまう。
だから,日本で一番いい映画であってくれと祈っているのは俺たちなんです。

という祈り届かず,観に行ったライトな映画ファンのブログに書かれた感想でさえ「ツッコミどころ=全部」という散々な評判・・・il||li _| ̄|○ il||l
それでも評論せねばということで,苦肉の評論が↑の「暗号シネマハスラー」。いまや伝説の回かと。
メディアミックスという形で,ありとあらゆるメディアが映画に出資していると,そのメディアの中にいる映画評論家はどんなに出来が悪くてもけなすことができない,正当な評論ができないから観客も映画を見る目が養えない,観客の見る目が養われないから映画のレベルが上がらない,どころか下がってくる,そして資金に恵まれない有能な製作者は出て来れない,という現在の日本映画業界の大きな問題を示した回でもあったわけで。


実は自分の首を絞めかねない危険なことを遊び心*1たっぷりに評論するなんて,さすがプロっていうお仕事っぷりです♪中高校生にこっそりおススメしたい番組です。

*1:暗号表の対応関係がとか,小島さんの暗号表の読み上げっぷりとか