初めて文楽を観てきました。
去年の今頃「舞台芸術について勉強してみたい!」という気持ちがムクムクと起きてきて、古今東西の舞台芸術についてごくごく基本を半年間勉強してみたのがきっかけで、5月の能鑑賞、今月の文楽鑑賞に辿り着きまして。
「観たい!」と思うと向こうから「観て!」と言わんばかりに機会が訪れるのが不思議。
人形浄瑠璃について
人形浄瑠璃について、教科書*1にこんなフレーズを見つけました。
・浄瑠璃は一つの語り物芸術として自律的に完結している。
・浄瑠璃は人形と合体してはじめて演劇になる。
・義太夫浄瑠璃は日本の叙事詩語りの完成態
・発話者になることのできない人形が人間の俳優以上にすぐれて人間身体の代行者になり得る場合がある。
観たことがないのでイメージがうまくできないけど、解説からは観ておかねばもったいない日本で独自の発展をしてきた舞台芸術ということだけはわかる。教科書で言わんとするところはなにかを体験してみよう!それが今回の鑑賞の目的なのでした。
曽根崎心中
実際の起きた心中事件を題材に1か月後に近松門左衛門が手掛けた作品。
江戸時代は今と違ってのんびりしていたんだろうな〜なんて思いこんでいたので、このスピード感に驚かされます。脚本書いて舞台で稽古して本番。これで1か月。上演までどうやってこぎ着けたのか気になりますねぇ。
浄瑠璃を聞いて
一人で「地」という叙述部分と「詞」という登場人物のセリフを語るわけなのですが、一人で語っているということを忘れるときがあるくらい、生き生きと人物が会話しているように聞こえるんですよね。昔の人の趣味の中に「義太夫」があったというのは、なんとなく理解できました。自分もやってみたいという人は確かにいるでしょうね。
三味線
浄瑠璃だけでなく音楽もあると世界が広がるんですよね。三味線は語りとよく合いますね。
人形
人形の手先が非常に器用な動きをしていることに驚きました。人間と同じと思えるぐらいの動きはまるで生きているようです。
コメント
色々見どころが多い「演劇」だと思います。もっと知識を深めて観ることができたらもっと楽しめるかと。
今回は浄瑠璃の字幕が出ていたので(「G・マーク」というらしい。)、非常にストーリーは理解しやすかったし、パンフレットも500円という廉価で販売しているのも観客に優しい配慮で、鑑賞の敷居は低かったのは好印象。別の演目も観たいと思わせられるいい鑑賞体験でした。