しあとりかる-Theatrical-’s blog

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河北新報特別縮刷版 3.11東日本大震災1ヵ月の記録

河北新報特別縮刷版 3.11東日本大震災1ヵ月の記録

河北新報特別縮刷版 3.11東日本大震災1ヵ月の記録

石巻日日新聞の平井美智子記者が「6枚の壁新聞」の中で

本当はもっと伝えたい情報があるけれど、紙面の都合で最低限しか入らない。隣には昨日はなかった『河北新報』が貼り出されており、忸怩たる思い。早く私たちも、印刷の紙面を作りたい。

と触れていた,東北ブロック紙河北新報宮城県内では70%以上の家庭で購読されているとも言われる新聞です。石巻エリアだけの日日新聞社とは規模が違います。


このエントリーのときにも書きましたが,地震の翌日3月12日に朝刊を発行していました。それどころか,この縮刷版で初めて知ったんですが当日号外も出していたんですね。
編集後記にこうあったんです。

最後に,大震災の当日,私たちの紙面制作システムが動かせない事態となり,新潟新報社に号外と翌12日朝刊の紙面制作をしていただいて新聞を発行し続けることができたことを加えておく。

その辺りの事情はWikipediaに詳しく記載されてました。
石巻日日新聞だけでなく,この新聞社もまた広い販売エリアの半分が1000年に1度の大津波に襲われた被災地にある報道機関としての使命を果たすべく奔走した様子が伺えます。そして,石巻日日新聞が作った「壁新聞」の脇にわざわざ,とも思えるようなかたちで印刷された自社の紙面を張りだしたところに,河北新報社関係者の,日日新聞には負けてられない,こちらも地元紙である,という意地みたいなものもあったのではないか,とも思ったり。


わが家は河北新報を購読していないんですが,震災から1か月は毎日のように河北新報のweb版をチェックしていたので,読んだことのある記事も多かったんですが,新聞の紙面というかたちで見るのとwebで見るのとでは迫力が違うなぁ・・・というのがまず思ったこと。紙面の迫力に気圧されるものがありまして。あの1か月間の混乱の記憶が蘇ってきます。
そういえば,交通機関はバスしかダメで,しかも最初は高速道路がダメだったから山形にしかいけなかったんだ,とか,ガスの復旧があんなに待ち遠しいものだったんだ,とか。
半年経った仙台中心部で暮らす私は通常モードの生活パターンに戻ってきています。東北以外から訪れる人は被災地というイメージで仙台駅に降り立つと「あれ?」という思うようになってきているようです。


紙面には「息の長い復興支援が必要」という記事があちこちに出てきたり,各地の被害の大きさを写しだした写真があったり。あのときの「被災している人のためになんとかしたい。」という気持ちを持ち続けることの大事さを教えられたような気がする,そんな1か月間の記録なのです。