- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2004/11/25
- メディア: DVD
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自動車(moter)産業で栄える街(town)、デトロイト発祥のレコード会社ということで,Motown。
ブラックミュージックを聴いていれば,必ず出会う名門レーベル。
物語の始まり
冒頭のCDショップでの音楽ファンへの質問。
モータウンの好きなミュージシャンは?
マ−ヴィン・ゲイ,スティ−ビ−・ワンダ−,テンプテ−ションズ…と次々に名前が挙げられていく。
では?そのバックバンドは誰?
という質問に対して答えられる人はいない。
そのバンド名は・・・
エピソード
健在のメンバーのインタビューと,チャカ・カーンやジェラルド・リヴァートなど豪華なミュージシャンによるモータウンの名曲の演奏で展開されるドキュメンタリー映画。
興味深かったのは,ファンク・ブラザーズのメンバーは,ジャズの素養があったということ。
モータウンの洗練されたサウンドはここから来ているのかしら。
そして,彼らはほんとの兄弟ではないけれど,兄弟のような強い絆で結ばれていて,新しいサウンドを探り,造り出していったということ。
音作りのときのエピソードを語る彼らの生き生きとした目がそのときの喜びと興奮を語っていましたね。
ベーシストのジェームス・ジェマーソンは,ビートルズのポール・マッカートニーにも影響を与えたんだとか。
いやぁ〜,モノづくりの職人の話って面白いですね。
こっちまでワクワクしながら見てしまいまして。
光と影
なぜ,そんな凄い彼らの名前を知られていないのか?
それは,吉岡正晴せんせによれば,60年代のアメリカの音楽業界では,バックミュージシャンをクレジットしないことがほとんどだったからということみたい。
それが一転,モータウンからバックミュージシャンがクレジットされた,名盤が発表される。
それが,これ↓
- アーティスト: Marvin Gaye
- 出版社/メーカー: Motown
- 発売日: 2003/01/14
- メディア: CD
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やっと日の目をみた矢先に,モータウンのロサンゼルスへの移転が決まる。
五大湖のほとりのデトロイトから遠く西海岸のロスへ。
ロスに行くもの,残るもの,それぞれがそれぞれの道を行く。
彼らは決して「夢の中」に入ることなく、「夢の外」にしかいられなかった。そして、気が付いたらその夢自体がはかなく消えていた。
と吉岡せんせのいうとおり,ここで物語は終わるのです。
この映画の成功によって2004年にファンク・ブラザーズにグラミー賞功労賞が授与され,彼らが再評価されていますね。
モータウン・ミステリー
なぜ,こんなかたちでこの物語が終わったんだろ?
そんな素朴な疑問を解く鍵になりそうなのが,モータウン・ミステリーというサイト。
実は,少なくないモータウンのヒット曲のバック・トラックはファンク・ブラザースでなく自分を含むL.A.のミュージシャンの演奏であると主張している,ロサンゼルスのベーシクトでスタジオ・ミュージシャンのキャロル・ケイを取り上げたものなのです。
最初は軽くショック。
でも,読み進めていくうちに,説得力があると思えまして。
さらなる,Standing in the Shadows of Motownのストリーがここにあるのかも。
そうであっても,映画でメンバーが語ったエピソードは,彼らからすれば,彼らなりの真実かと。
ふ〜,やっとエントリーできました。
お次はDonny Hathawayの「LIVE」をレビュー