しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

ドリームガールズ

ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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去年公開され,ずっと気になってたこの映画、やっと見ました。


全体的な感想は・・・こんなもんかなぁ・・・という感じ。
メイキングビデオもあったけど、時間がなくてそちらは見ないでレンタル終了してしまったのはちょっと後悔。


確かにアカデミー助演女優賞をとったジェニファー・ハドソンの歌唱力は素晴らしかったけど、あのくらい歌える人はアメリカだったらゴロゴロいるだろうし・・・とちょっとナナメな見方をしたりして。
ビヨンセ演じるディーナ。
つい、女性って化粧と衣装で化けるもんだなぁ・・・やっぱおしゃれって大事だよな・・・と映画のテーマとは違う方向にわが身を軽く反省したりして(苦笑)。
ビヨンセがハドソンに食われている」という評価があるようですが、それも計算された演出でしょう。最初のあたりで、いつものように女王オーラ出しまくりでガンガン歌われたら映画がぶっ壊れますもの。
最初の抑えた演技、歌いっぷりから、だんだん見慣れた「ビヨンセ様」へ変化していく様が面白かった。


前田有一さんの超映画批評の意見は結構納得。一部をご紹介。

ドリームガールズ』の見所は一にも二にもこの音楽で、あらゆる点でこのミュージカルのモデルとなったモータウンのそれを好きな人でないとどうにもならない。


ちなみにモータウンとは、ブラックミュージックを中心としたレコード会社の名前。本作で描かれるように、デトロイトのいち零細企業として始まり、瞬く間に全米を風靡したことで知られる。とくに60〜70年代の彼らは、音楽史の中ではそれまでのメッセージ性の強い黒人音楽を、白人その他に広く受け入れられるようなポップなものへと変化させたと評価される。


なぜここでそんな事を書くかというと、このバックグラウンドを理解していないと『ドリームガールズ』のストーリーを大きく誤解する可能性があるからだ。


たとえば何も予備知識がない人がこれを見ると、重要人物のエフィーについて、やたらとまわりに反発するワガママ放題のバカ女に見えてしまうかもしれない。カーティスが冷静で論理的な、すこぶる優秀なビジネスマンなのに対し、やりたい音楽がどうだのとくだらない事を主張して困らせるアーティストたち、という構図に見えてしまうに違いない。作詞家もディーナも全員がそう見えるはずだ。


しかし、デトロイトが米国の中でも黒人の比率が多く(その原因も映画の中で実はチラと描かれている)、貧富の差も激しい都市という点を考慮すると、また違って見えてくる。ここで苦労しながら育ったドリームガールズやスタッフ、中でもエフィーにとって、カーティスのやり方は金持ちの白人たちに媚びているようにしか見えず、許しがたかったのだ。同時に、カーティスがなぜあんな卑怯な手段を使ってまで営業したのかも、この街から黒人未踏の道を切り開かねばならなかった彼の立場を想像すれば理解できるはず。


残念なことに、映画『ドリームガールズ』はそうした点について説明不足で、英語の苦手な日本人にとってはよほどの想像力を働かせないとわかりにくい。米国では受けても、日本では受けにくいタイプの作品だ。ビヨンセジェニファー・ハドソンの物凄い歌に圧倒され、大喜びする人も多かろうが、決してそれだけがこの映画の魅力というわけではない。


確かに確かに。
モータウンに興味ないとアメリカのショービジネス界のお話ね、で終わってしまうだろうなぁ。
そんなにモータウンのこと詳しくはないけど、「永遠のモータウン」を見ておいてよかったなぁ・・・と思ったのは事実。


アメリカの大統領選挙でオバマ氏が民主党の候補者になってから、改めて最近アメリカの人種問題の根の深さを思うようになっているから余計感じるのかもしれないけど、こういう映画を白人はどう受け止めるんだろうか、そして黒人はどうなんだろう?
そして、日本人の私がどうしてソウルミュージック(しかも結構コテコテの)とかR&Bを好きなんだろ?
そんなことを思った映画なのでした。