しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

大河ドラマ「麒麟がくる」〜色々あったけど最終回がやってきた。

無事完結。

全回見たわけではないけど、40回ぐらいからはチェック。
ただ、本放送ではなく、再放送で。
日曜日の夜見るにはちょっと重くて、土曜日の昼に観るのがちょうど良かったので。

「重い」と感じたのは、特に終盤だけれど脚本が素晴らしかった上に、それぞれの役者さんの演技が良く、じっくり見たいけど見たらどっと疲れがでるから。

予想外に、染谷将太の信長、川口春奈帰蝶はハマっていた。
愛嬌たっぷりで魅力的な松永久秀吉田剛太郎。
佐々木蔵之介の秀吉の成り上がり者のイヤらしさったら…
坂東玉三郎正親町天皇の雅な演技はやっぱり見逃せないし。
近衛前久本郷奏多徳川家康風間俊介は、終盤になればなるほど良さが出てた。

そしてやっぱり、主役の明智十兵衛光秀の長谷川博己
朝ドラ「まんぷく」でもそうだったけど、この人にしかない魅力って、普段はすごく真面目なのに、追い詰められて爆発するときに見せる「狂気」。どっから出てきたの?っていう意外性のある剥き出しの狂気。
今までぶすぶすと燻っていたのが、安土城の饗宴で信長に理不尽に責められたっていうココ一番できた〜〜〜(歓喜
これは、本能寺の変起こしてもいいよ、って思わせる説得力のある殺気が湧き出す演技がやっぱり素晴らしく、満足。

脚本は名作との評価が高い、1991年の大河ドラマ太平記」を手がけた池端俊策氏。
両親に愛されなかったが故に承認欲求が高い信長像って身近にいそうと感じさせる。
「褒めてくれる」人にもっと褒めてもらいたくて良かれと思ってしたことが喜ばれない。
象徴的だったのが、松平広忠の首を父信秀に差し出す話と、正親町天皇に切り取った蘭奢待の一部を献上する話。
相手のことをよく見ていれば、喜ぶわけない。誰かズレてるよ〜って言ってやってよ😵
手段を選ばず実現させる実行力がムダにあるから、どんどん人の心が離れていくのに気づかない。
真正面から光秀に諌められても、聞かないし。

そんなエピソードを積み上げ積み上げたどり着いた40回の「松永久秀の平蜘蛛」から44回最終回の「本能寺の変」までは見事。
爆死しなかったけど、平蜘蛛という爆弾💣を光秀に渡した久秀。
この平蜘蛛を受け取ってしまったがために、初めて信長にウソをつく光秀。それを見透かす信長。
ここから二人のすれ違いが明らかになってくる。

そんな中、帝には「数多の武士が月へ駆け上っていったが、下界に戻ったものはいない。信長はどうじゃ。しかと見届けよ。」という形で託されるし、京に戻ることを促すも将軍足利義昭には「十兵衛だけの京であれば戻るけど。」と断られる。
とうとう夜な夜な月🌕までのびる木(その木に信長が登ってる)を斧で切り倒そうとする夢を見るようになる。もうノイローゼ確定。
なのに、名プロデューサー帰蝶には、「(製造物責任がある十兵衛が独り歩きをして思わぬ仕儀となった信長を殺しても)致し方ない。」と涙目で後押しされる。

そんなことはお構いなしで、信長は、最後まで「十兵衛」のことが自分勝手に一方的に好きで。
あんな屈辱的なことをした安土城の饗宴の後に、ケロリと「あれは家康を試してやったこと。気にするな。」って言っといての「将軍足利義昭を殺せ」命令😱
「戦いを終わらせるためにはこれしかない。戦いが終われば、二人でゆるりと茶でも飲んで暮らそう❤️」ってどこの熟年夫婦ですか?
あ〜二人の間柄だから許されると甘えてる。それアカン🆖やつだよ。
十兵衛さん、息してますか?過呼吸😩😫になってませんか?
もうね、饗宴のエピソードだけで動機は十分なのに。このダメ押し🧨エピソードを入れてくるのが凄い。

こんなに「本能寺の変、来いっ」って思った大河はなかったな。
こんなに愛される光秀もいなかった。

謀反を起こしたのが大好きな十兵衛だと知って、嬉しいような悲しいような表情での「是非もなし」。
ここまでリアリティーのある「是非もなし」もなかった。
染谷将太という役者って素晴らしい❗️という1シーン。

ラストは残りの話数見て、本能寺の変で終わりだろうと思っていたけど、生存?説を真正面から出してくるとは思わなかった。
視聴者の想像に任せるというドラマの良さを生かした爽快感を覚える素晴らしいラスト。

帰蝶役交替で10話分取り直しのための放映開始遅れの上に、新型コロナで撮影中断のための「麒麟がくるまでお待ちくださいl」。
おそらく脚本の書き換えはあっただろうけど、撮影も大変だったろうけど、最後まで走り切ったことに拍手👏👏👏👏