しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

Rhymester「リスペクト」

リスペクト

リスペクト

そんなライムスさんのインディーズ時代の傑作とも言われているこのアルバム。
実はこのアルバムを巡ってちょっとした騒動になったことがあったらしく。
ネットで漂っている情報を拾っていてわかったのはこれ↓ぐらいなんだけど。


きっかけは「探検キーワード『リスペクト』〜ラップで語る空虚な倫理〜」というタイトルの1999年12月11日付け朝日新聞の記事。
この記事は「最近,日本のヒップホップグループが「リスペクト」という言葉をよく使っているけど,もともとは奴隷として連れてこられた黒人が、黒人音楽を発展させてきた先人に対する敬意を表すために使われるようになったのに,日本では封建主義的な意味合いを帯びるのでは?」というもの。
具体的にはこんな感じでライムスにも言及。

人気バンドのドラゴン・アッシュは「父への尊敬、母への敬意」と歌い、「リスペクト」と題された別のグループのアルバム(このアルバムのこと)には、軍服姿で帯剣した写真が載る。様々な価値観が壊れつつある今、若い世代に封建的な価値観を求める動きがあるのだろうか。

確か,この記事は読んだことがあるような。
ジャケ写がなかなかインパクトがあったもので(記事の内容は忘れてた。)。
これに対して,宇多丸師匠は音楽雑誌「Blast」で

明らかな取材不足、あるいは認識不足から来る誤解と偏見、さらに言えば悪意に満ちたものであると結論せざるを得ませんでした。

として反論の記事を載せたらしい。
肝心の具体的な内容は調べたけどわからなかったんだよね(新聞記事の方は某所でほぼ全部を書き写していたのを見つけたけど)。
ファンの人ならそのあたりは知っているんだろうけど。


当時,宇多丸師匠のこの反論を支持したHIP-HOPのファンは多かったみたい。
大新聞を相手に闘ったということでちょっとした伝説となっているらしい。


そういういきさつを知って再度問題の記事を読んでみると,ライムスターについての言及のところは,ヒップホップグループは封建的な価値観を持っているんだという自説を裏付けるために,巧妙に一見明治初期を思わせるジャケ写&ライムスがよく使うフレーズ「マイクの刺客」が引用されているようにも思えて。
ふ〜,こういう記事って真に受けちゃうと危ないなぁ〜


「グレイゾーン」(前にエントリーしたレビューはこちら)を聞けば,「封建的な価値観」を持っているなんてとてもじゃないけど言えないんだけど・・・(苦笑)



なんだかものすごい堅い話になってしまったけど,さて,ファンには絶賛されているこのアルバム、どんなもんだろ?とレンタル。
聴く前はバキバキのハードなサウンドだと思っていたけど,意外にもポップで聞きやすい。
1曲目からしてかなり笑えるし。
でも,キレはあるのよね。
歌詞も聴きやすいし、ひねりが効いていて面白い!
HIP-HOPあんまり知らなくても,こりゃ楽しいなぁ〜という感じ。
やっぱ歌詞カードがあればさらに楽しめる感じなのでCDを購入すべきなんだろう・・・
困ったなぁ,いろいろ買いたいものあるのにねぇ(笑)。