しあとりかる-Theatrical-’s blog

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オペラの本場イタリアで芸術・文化関連予算3割カット

財政赤字が各国で問題になっている昨今、いろいろ考えさせられるニュースだったので・・・

オペラの本場悲鳴 伊が財政緊縮策、文化予算3割カット(6/13朝日新聞より)

 財政危機に陥ったギリシャの二の舞いを避けようとイタリアの打ち出した財政緊縮策が「オペラの本場」の足元を揺るがしている。芸術・文化関連予算も3割カット。運営費の半分を国の補助金に頼ってきたローマ歌劇場ミラノ・スカラ座などの名門オペラハウスは危機感を募らせている。
 「まだ続くのか」「恥を知れ」。スカラ座であったワーグナーの楽劇公演の最終日だった5月29日夜。開幕前、団員が補助金削減への抗議声明を長々と読み上げたが、聴衆からは不満の声が上がった。
 イタリアの2010年歳出は約5400億ユーロ(約60兆円)。緊縮策は、これを今後2年間で240億ユーロ(約2兆6400億円)削り、09年に国内総生産(GDP)比で5.3%だった財政赤字を、12年には3%未満に抑えることを目指す。全体では4.4%の歳出削減だが、削減幅が大きいのがオペラや映画、音楽、バレエなど芸術関連の予算「FUS」。今年の4億1400万ユーロ(約455億円)から、来年は2億9千万ユーロ(約319億円)へと3割の削減だ。
 元々5月25日に閣議承認された案では、FUSは5割削減されるはずだった。だが青年時代にナポリの小劇場で俳優として舞台に立った経験があり、芸術に理解が深いナポリターノ大統領が署名を拒否し、3割削減で落ち着いた。
 オペラの本場イタリアには全土で47の歌劇場がある。中でも「オペラの殿堂」と称されるミラノ・スカラ座や、ローマ歌劇場など13の大劇場への公的支援は手厚く、運営費のほぼ半分は国庫からの補助金だ。かつては貴族や教会の援助で成り立っていたイタリア・オペラだが、現代になって、貴族の代わりに政府が補助金を出すことで、世界のオペラ界をリードしてきた。
だが01年以降、ベルルスコーニ首相が政権につくたびに予算が削られる傾向が続き、ギリシャ危機後の緊縮策が追い打ちをかけた。緊縮策はトレモンティ財務相が主導し、ボンディ文化財・文化活動相も「私は大臣の役割と権限を奪われた」と手が出せない。
 削減に抗議し、スカラ座ローマ歌劇場では先月のオペラ公演初日に相次いでストライキが行われ、公演が中止された。同歌劇場の労組「UGL」代表のマッシモ・ディ・フランコ氏(53)は「国の支援がなければ劇場は存続できない。このままではイタリアのオペラや音楽は廃れてしまう」と危機感を隠さない。
 ミラノ在住の音楽ジャーナリスト井内美香さんは「FUSカットがイタリア・オペラの質の低下に拍車をかけるのは間違いない」と指摘する。


ちなみに日本は・・・
国の借金は2010年度末には973兆1625億円と、空前の1000兆円に迫る見込み、
国際通貨基金IMF)によれば、2009年の財政赤字国内総生産(GDP)比で10.5%と予測された、
らしい。