しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

世界フィギュアスケート選手権2023 男子シングル・フリー@さいたまスーパーアリーナ

男子シングルはGPF2022に続いての神大会‼️

神となった選手たちの努力の賜物なんだろうけど、そんな神々を召喚しまくったのは、間違いなくさいたまスーパーアリーナに集った観客の皆さま。

4年前同じ会場で女子シングルを観てるので、会場の雰囲気をイメージしながらテレビの録画をチェック。今大会が日本で声出し解禁後初の国際大会。思い存分声援を送れるということもあってか、コロナ前よりも熱い❤️‍🔥熱い❤️‍🔥応援📣で心が揺さぶられるシーンが沢山。ノーカットで観たかった。ISUのYouTubeチャンネルで全演技見られるようになったら見ることにしよう。

 

随分時間が経ってしまったので,後日談入りの感想

 

結果

宇野昌磨(日本)|ショート:104.63点 フリー:196.51点 総得点:301.14点

正直ジャンプ跳ぶたびに転倒するんじゃないかとドキドキ💓。

2本目の4Sがステップアウト(回転不足の判定)、SPの演技後にランビ先生に(いつものように)「セカンド3T頑張ろうね」って言われたけど,かなり足の状態は悪く,冷静にライバルとの点数差を計算し,4Tからの連続ジャンプは最低限のセカンドつけて4T-1T(1/4回転不足の判定)として切り抜ける。

終わってみれば、4回転5本を含む7本のジャンプは全て着氷、3Aなんか空中で体の軸が曲がってたのに着氷。ステップ&スピン&コレオシークエンスは安定してたけど、ジャンプがこんな👆感じだったので、最後のスピンで演技終了するまで安心できなかった。

最後のフィニッシュのポーズを決めた後に、氷の上に身体を投げ出して大の字になった姿に😢 

結果を出して何とか逃げ切ったが、そこに至るまでの世界王者の連覇の過酷さ、それでも王者に相応しいメンタルの強さを見た。

あれだけ、けが予防に気を配ってもけがに繋がるジャンプの練習をし続けないとトップの地位を守れないということなのか?技術と芸術性の両方を求められるフィギュアスケートというスポーツの過酷さをしみじみ思った。

 

リンクを引き上げた後、ランビ先生は宇野選手を抱き抱えて

 Wonderful,Wonderful,Wonderful,Wonderfull!!

と労い、デミ先生は宇野選手にタオルを渡す前に

 代わりに涙を拭かせてもらうわ。

と涙を拭ってた。いつもと違う2人の表情からは、このチームが背負ってきたものの大きさ,重たさを感じ取れた。

 

試合後のインタビューで印象に残ったこと。

◯演技中は冷静に「あと1個は失敗しても大丈夫だけど、大きなミスだと怪しい」とか考えてたらしい。

◯もう一回やったら、絶対無理だなという演技をショート、フリーともにできたと思う。どんな内容でも、やっぱり結果というものが、僕を支えてくださった人たちの恩返しになると思う。

◯ただ、僕がスケートをやってきた上で求めているのは、自分が自分の演技を見返した時に『良いな』と思える演技。この2年間、正直、(『良いな』と思える演技が)できているかと聞かれたら……。ジャンプはうまくなったし、本当に良いと思うが、スケーターとしてどうだって考えると、あまり『うん』とは思えない。このシーズンオフは、エキシビションアイスショーに出る中で、どんなスケートをできるか、もっとこういうスケートもできるんだというのを探していけたらなと思う。

◯(「今後、どういう形でスケートをやっていくか分からない」という話を会場のインタビューでしていたことについて)2年前までは成績が出ていなかったので、まず成績を出したいと(考えていた)。成績が出たことをうれしくは思いますけれども、『成績をめざしたスケートになってしまっているな』というのが率直な感想。決して悪いことではないと思うんですけれども、それがルールなので。ただ、僕が『面白くて楽しい』『高橋大輔選手のような』と憧れたスケートっていうのは、いまの僕は体現できていない。

 

来シーズンはどこを目指していくのだろうか?

いつまで現役でいられるのだろうか?

②ジュンファン・チャ(韓国)|ショート:99.64点 フリー:196.39点 総得点:296.03点

こんなに安定してたらメダル獲れるよねっていう納得の演技。

演技中の仕草や表情が自信に満ち溢れていて,トップに駆け上がっていく選手のオーラが出ていた。

イリヤ・マリニン(アメリカ)|ショート:100.38点 フリー:188.06点 総得点:288.44点

4Aを常時投入するんだろうか?

演技構成点が低いというジャッジの印象を払拭するために,いったん4Aを封印して表現力を磨く方に行くんだろうなという発言していた。これから演技構成点との闘いが続くんだろうな…

④ケビン・エイモズ(フランス)|ショート:95.56点 フリー:187.41点 総得点:282.97点

いつも見ている訳ではないんだけど、ノーミス演技を見たのはいつ以来だろう?

運動神経の良さを生かした独創的な振付けが面白いんだけど、ジャンプミスも結構あってグランプリシリーズでの表彰台が遠いという印象の選手だった。

テレビではSP映してくれなかったけど、後でネットで見たら凄く良かった。演技後、本来の力を出し切って感無量という表情で、会場も大いに盛り上がる。

そして、スコアが出たときの本人とコーチのキス&クライでの絶叫は、今大会のハイライトシーンの一つ😆

宇野選手のキスクラでデミさん泣いてたら、ランビ先生から「ケビンみたい」って言われたくらいにね🤭

⑤ジェイソン・ブラウン(アメリカ)|ショート:94.17点 フリー:185.87点 総得点:280.04点

4回転なしでもここまで高い演技構成点を叩き出せることを見事に見せた氷上のアーティスト。しなやかな体の動きが絶品。

リンク外では,宮原知子ちゃんとのやりとりの破壊力がすごすぎてなぜか(?)癒される。人柄の良さとスケート仲間への愛が溢れてる。

友野一希(日本)|ショート:92.68点 フリー:180.73点 総得点:273.41点

男子シングル・フリーの盛り上がりの起点は友野選手の演技から。

本人はショートとフリーで1回ずつ転倒があり,相当悔しかったよう。

自国開催の緊張で全然足が動かなかったけど,練習の成果を出して最後の観客席を一体にするパフォーマンスはお見事。

来季のSPはジェフリー・バトルの振付けだとか。来季の活躍を大いに期待。

 

余談だけど,non-noでの連載「トモノのモノ語り。」,山本草太くんと島田高志郎くんがゲスト回は,三者三様の個性が見られて面白い。

キーガン・メッシング(カナダ)|ショート:98.75点 フリー:166.41点 総得点:265.16点

2023年四大陸選手権の銀メダルから注目し始めた(遅すぎ!)選手。

今季で引退するとは思えないクオリティとレベルの高いジャンプやスケーティングは若手選手にもいい影響をもたらしたに違いなくて。

国別対抗戦SPで肩を落として戻ってきた佐藤駿選手に,励ましのロータッチした姿に😢

母方の高祖父がカナダへの移民第1号の日本人で,長崎を訪れてお墓参りしたり,同じルーツを持つ親類と交流しているところがNHKのニュースの特集で流れた。

⑧ルーカス・ブリッチギ(スイス)|ショート:86.18点 フリー:171.16点 総得点:257.34点

⑨マッテオ・リッツォ(イタリア)|ショート:79.28点 フリー:176.76点 総得点:256.04点

⑩アダム・シャオ・ヒム・ファ(フランス)|ショート:79.78点 フリー:173.33点 総得点:253.11点

ジャンプがうまくいかなかったけど,今売れっ子のブノワ・リショーの独特の世界観を十分表現したSP,フリーで強い印象を残した。

11位:ウラジーミル・リトヴィンツェフ(アゼルバイジャン)|ショート:82.71点 フリー:169.05点 総得点:251.76点

12位:ダニエル・グラセル(イタリア)|ショート:86.50点 フリー:157.93点 総得点:244.43点

13位:デニス・ヴァシリエフス(ラトビア)|ショート:82.37点 フリー:160.78点 総得点:243.15点

デニス君はジャンプの出来次第なんですよねぇ。

まだ23歳だけど,2022年のヨーロッパ選手権の銅メダルで達成感があって,その後スケートへのモチベーションが落ちてきてないかと心配。

デニス君って,ランビ先生の1番目の生徒さんとして有名ですが,ランビ先生に弟子入りする前の2014年(当時14歳),ブノワ・リショーに最初に振付のオファーしたスケーターだったらしい。本人がオファーしたわけではなかったとしても,そのお目の高さはびっくりです。

14位:ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)|ショート:75.41点 フリー:161.52点 総得点:236.93点

15位:山本草太(日本)|ショート:75.48点 フリー:156.91点 総得点:232.39点

シーズン前半戦の勢いを見せてほしかったなぁと思いつつ,今季を通じた活躍は目を見張るものがあり,まずはお疲れ様でした。

来季は若手の追い上げの勢いがますます増していく中でどんな立ち位置になっていくのか,ぜひ世界選手権での経験を生かした活躍をしてほしいところですが。