しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

いだてん 視聴完走

年が変わってしまったけれど、2019年の振り返りとして大河ドラマいだてん〜東京オリムピック噺〜」は外せない。
平均視聴率が8.2%
そんな中数回を除いてずっと観続けた。ある意味選ばれし者✌️✌️
画期的な大河ドラマだったし、ここ数年の大河ドラマの中では面白かったと思う。
さすがクドカン、期待は裏切らない。
だから、熱狂的なファンがいたのは納得できる。

ただ、第1回で観るのを止めた人の気持ちもわかる。
初回は情報量が多くなりがちだけれども、それにしても多い。
そして、人物相関図、時代が行ったり来たりで錯綜している。
なのに、語りは滑舌の悪いビートたけし
頭の中で情報処理がうまくできないから、ストレスが溜まる。
クドカン脚本のドラマをいくつか見ているからクドカンワールドの面白さを知ってるけれど、毎回これでは疲れるだろうなぁ…と脱落しかけた。

実際、第2回は見ていない。
第3回では大分スピードが落ちていて見やすくなっていた。

が、とにかく最初は話が進まない。
ようやく面白くなってきたなと思ったのは、第7回。
最初のオリンピックに参加する苦労のエピソードが盛り込まれ、ようやく本筋の話に入った感があった。

総合視聴率(録画をしているタイムシフト視聴率を含む)の推移を見ると、第4回からガクンと視聴率が下がっている。
冷静にこの数字を見れば第3回までは様子見だった人も脱落していったことが読み取れる。
残った人は選ばれし者。だから評価は高くなるのは当然。

もう少し金栗四三編の話をコンパクトにできていたらヒット作品になったかも。
落語にこだわりがあるのはわかるけれど、そのせいで筋が複雑になりわかりづらくなったのは否めない。
森山未來はいい俳優だってわかったのは収穫だったけど、語り部が前面に出るという構成は本筋を追うときのノイズに感じた。
だから途中までは志ん生の話が出てくると無意識のうちに集中力が削がれてたかも。

夢中になって見ていたけれど、今振り返ると視聴率って案外無視できないところがあるなと。
広く沢山の人に見てもらうにはあっさり味でちょうどいいのかもね。
だからちょっと???って思うのが視聴率良かったりするのかも。
大河ドラマをヒットさせるのは難しい。

ん?思ったより辛口になってしまったわ。
せっかく本筋のエピソード沢山面白い話あったし、若い俳優さんいい演技だったし、大根仁監督の演出回は毎回楽しみだったのに、なんかしっくりこなかったのはなぜか考えてみたら、その原因がわかってしまったようだ。
クドカンには悪いけど、「富久」絡みのエピソード、全部カットされたら見やすかったのでは?
「敗因」がわかって悔しくなる。
「富久」ネタは壮大な伏線回収って言われたけれど、戦前の東京オリンピック返上、戦後の東京オリンピック開催自体が壮大な歴史的事実として伏線回収と言える。そこをしっかり追って見ていきたかったのに、前半との時間配分は適当だったのか?大いに疑問。
題材からは骨太の大河ドラマになれる可能性もあったのにそのポテンシャルを引き出せなかった…のかなぁ。

現代に直接繋がる歴史的事実と真正面から向かい合ったときの重さをどう捉えてどう表現するのか、その難しさに挑戦した意欲的な作品なことには間違いなく、この作品の評価はもっと後になってからでなければ正当にされないだろう。
そんな作品を1年間見れたことはいい視聴経験だった。