しあとりかる-Theatrical-’s blog

観たこと聴いたことに愛あるツッコミを!!

氷艶-hyouen 2019 月光かりの如く

DVDが出たら買いたいかも。

競技スケートの緊張感もいいけど、自由に芸術性を追求できるアイスショーの良さを感じたから。

前回の氷艶は「まぁこれはこれであり。悪くないね。」ってくらいに見えたけど。

今年の氷艶は舞台芸術とスポーツの幸せな融合と言えるかも。

 

個人的にはステファン・ランビエールの魅力が全開過ぎて眩しい。

今年の世界選手権のオープニングセレモニーの映像を見たとき「衣装似合いすぎ!」とちょっと感動。そして、帝の重い衣装を身につけてもあの優雅な滑り。

高橋大輔くんと一緒に滑る、歌比べのシーンと狩に出掛けるシーンがお気に入り。

今までのアイスショーで共演を重ねてきたからこそのシンクロぶりが素晴らしい。

ユリア・リプニツカヤとのペアの演技はビジュアルとしてもスケーティングとしても「麗しい」。

リプニツカヤの柔軟性を生かしたスパイラルやI字スピン、ランビエールのジャンプとスピンが同時に見られるなんて嬉し過ぎる。

台詞はないけれど、目線を置き方とか手の動かし方とかスケーティング以外の場面での演技が素晴らしくて。

 

ランビエールの現役時代の演技はリアルタイムで観てたはずなのに、ヨーロッパ的イケメンスケーターぐらいしか印象に残ってなくて。

というわけで、バンクーバーのときの記事をお蔵出ししておいた(2010/2/17の記事)。

どうやらミス多くて「う〜ん…」と思いながら見てたらしい。まぁ現役最後の年の演技だからなぁ。

さらにその4年前のトリノ五輪の銀メダリストって気づくのに時間がかかったし…

トリノは女子の競り合いが手に汗握る展開だったのに、男子はプルシェンコの圧勝で、エキシビジョンの「トスカ」の演出が素晴らしかったことしか覚えてない。

引退後のアイスショーとか2007年の世界選手権での演技をYouTubeで見たんだけど、スケーティングが滑らかでスピンが美しく独創的。

プログラムでは2007年初お披露目の「ポエタ」が代表作らしいんだけど、リアルタイムでは見てない気がする。イケメン&女性ファンが多いってことで、「なんか違うな」って思って現役時代の一番いい時期にきちんと見てなかったのは反省だわ。

今回の氷艶での素晴らしいスケーティングを見て、1回は生で彼のアイスショーを観に行きたいなぁ〜と。

 

そして、ユリア・リプニツカヤ

彼女がシニアに上がってきたシーズンの衝撃は忘れられない。

彼女といえば、「シンドラーのリスト」の赤い衣装を着た悲しげな表情が印象に残る。まだあどけなさが残る少女、なのに、難易度の高い構成を難なくこなし、スケート王国ロシアの層の厚さと凄みを感じさせたスケーター。驚異的な柔軟性を生かしたキャンドルスピンが彼女のトレードマーク。これからの成長が気になる選手だった。

15歳という若さで祖国で開催されたソチ五輪で団体の金メダリストとなったのがよかったのかどうなのか。

早すぎる引退後のインタビューで拒食症の治療を受けてたとか、もうスケートはやらないとか言ってたからずっと気になっていた。

その彼女がスケーターとして戻ってきた。しかも大人の女性としての魅力も備えて。

スケーティング以外の演技も素晴らしかった。台詞がなくても紫の上の感情がとても伝わってきた。

またアイスショーに出るかはわからないところだけど、また観たいという人は沢山いることかと。

 

あ、日本人スケーターについて書き忘れるところだった。

大輔くんは頑張ってた。ただ彼の魅力が十分出てたかなぁ?

ライブで観るとまた違った感想になると思うけど、ネタバレ読んでしまって映像で観てしまうと、台詞はまぁ良いとして歌はどうかなぁ…なかった方が…。意見が分かれるところだと思いますが。もともとプロの歌手ではない人がミュージカルとかで歌ってるのを聞くのが苦手という個人的な好みもあるので。

競技スケートでの彼の滑りしか見てないから見慣れてないというのもあるんだけれど。

スケーティングのところはさすがのひと言。

殺陣のシーンはスケートならではの動きと相まって迫力があった。vsランビエールの殺陣のシーンがもうちょっと長かったら…と思う一方で役柄の設定上難しいのでこれは仕方なし。

荒川静香さん、器用な人だなぁ。弘徽殿の女御という役どころは難しいのに、しっかりハマってた。

織田信成くん、もったいない使い方。彼のスケーターとしての魅力が出るシーンがわずかで。

鈴木明子ちゃん、振り付けと衣装の見せ方が素晴らしい。全体とのバランスで出番が少ないのは仕方がないけれど。

村上佳菜子ちゃん、元気ハツラツな一般的なイメージからするとああいう役柄になるのかな?台詞回しが気になるのは大輔くんが上手いのと比べると…ってことで。

 

スケーター以外の出演者。

平原綾香という歌手はこんな進化してたんだ。ミュージカルで活躍してるっていうのは納得。彼女の魅力は声。歌うだけでなく語る演技者としての声の魅力が存分に堪能できた。

柚希礼音さん。初めまして。宝塚のトップってホント舞台に映えるよね。もうちょっと観てたいって思わせるオーラはさすが。

俳優の福士誠治さんと波岡一喜さんがしっかりストーリーを動かしてたからそこは安心して観れた。

脇が堅いのはホント大事。

 

次の氷艶があるとしたら、ますますハードル高くなるけど、どうなるのかな?